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【プロジェクトJAPAN ETV特集 シリー
NHK【プロジェクトJAPAN ETV特集 シリーズ「日本と朝鮮半島2000年」
第6回 蒙古襲来の衝撃 〜三別抄と鎌倉幕府〜
放送日 :2009年 9月27日(日)
【ゲスト】
九州大学教授…佐伯 弘次
コンジュ大学教授…ユン・ヨンヒョク
【キャスター】三宅 民夫
【リポーター】笹部 桂子
タイトルは『蒙古襲来の衝撃 〜三別抄と鎌倉幕府〜』なのに、番組の半分は高麗の話し。
高麗がどんだけがんばってモンゴルに対抗したか。
高麗がどんなに苦しかったか。
高麗がどんなにモンゴルに抵抗し続けたか。
延々と……
そして、高麗は奴婢(最下層の身分)が先頭にたってモンゴル軍と対戦した。
(国軍はどうしてたん? なんで高麗国軍が先頭に立って戦わんの?)
で、高麗制圧。
「高麗は可哀相ですよね! 抵抗したのに!」というようなレポーターの泣きそうな発言有り。
モンゴルは日本に『言うこと聞かなかったら進軍するぞー』という書面を送って寄越した。
それと一緒に、高麗王からも日本に『モンゴルと仲よくしたら』というような書面が届いた。
この書面も、番組では
『モンゴルに脅されて仕方なく出した』と言われて、またコメンテーターの女のコが
「かわいそうな高麗! 仕方なかったんですよね!」という発言をした。
そして、鎌倉時代の日本、『知るか!』 と、『完全無視』(幕府も朝廷も返事を出さなかった)
(執権問題でいろいろ国内が不穏だった)
次に高麗王からだけ、
日本に『援助してくれ』書簡が来ていた。これも日本、無視。
なぜなら、文面がおかしかったから。
以前高麗王から来た書簡は
『元は素晴らしい国だから、あなたも従いなさい』と書いてあったのに
今度の書簡では
『元は信用置けない悪い奴だ』と書いてあったらしい。
これを読んだ日本政府は、『高麗は訳のわからん状態になっている。手を出すとやばい』と、無視を決定。
(これも、番組で言ってる)
なのに
「このとき、
日本は三別抄と助け合って
モンゴルに対抗する、
という手段がとれたのに、
本当に馬鹿なことをした」
というような発言。
え? さっきこの番組で、『高麗はわけわからん』って言ったやん?
さっき番組で紹介された書簡内容で、なんで日本が船を出せるんですか?
あなたなら助け出を出すの? 教授。
まだ日本に攻めてきてないモンゴルを、なんで海を渡って制圧せなあかんのん?
しかも、番組で紹介されていた高麗政府からの文面は、『物資を援助してくれ、援軍を出してくれ』であって、『共闘してモンゴル高麗を倒そう』ではなかった。(番組内で、そんなことちっとも言っていない)
なのになぜ、『助け合ってモンゴルに対抗』なんて言えるんでしょうかね。
日本は、『国政がわからない』『不安な相手』から、『一方的』に援助を求められただけ。
どこに『共闘する』という道があるのか、説明してほしい。
なんですか? 現代アメリカみたいに、隣国の危機は俺の危機! つって、どんな戦争にも首を突っ込んでほしいのですか?
さぁ次は元寇か?
と思ったら、三別抄という『高麗反抗勢力』が、
自分こそが高麗だ、と反旗を翻し、
半島最南端に陣を構え、日本に援助を申請してきた。
(先程の援助書簡の時点では、三別抄が別高麗政府を立てた、と日本には分かっていない)
その後、三別抄の説明が長々と。
しかし、自分こそが高麗だ、と言いながら、『王族を担いだ』とは一言も言われていなかった。王は誰なの? と私はずっと思ってました。
三年も、強大なモンゴルと戦い続けた三別抄強いよ! かっこいいよっ! いさましいよっ! 褒めちぎり。
いつ日本の話題になんねん、と待っていたら元寇来ましたよ。
モンゴルが日本に来ようとしたとき、
日本は『二月騒動』でモンゴル(外敵)どころじゃなかった。
けれどその時、ラッキーにも、
またもや最強三別抄がモンゴルに抵抗し、
日本にモンゴルは行かなかった。
良かったね! ニッポン! ラッキーだね!
元寇一回目、文永の役。
番組では『モンゴル軍は圧勝し、一日で帰った。帰った理由は、強力な三別抄と戦い、準備不足のまま日本に来たため、矢が尽きた』
からだそうだ。
燃え盛る沿岸の建物の映像。
一日で帰った?
10月5日に対馬、10月14日に壱岐を襲撃したんじゃないんですか?
10月19日には博多湾に現れ、10月20日、船団は東に進み百道浜つづいて地行浜、長浜、那ノ津、須崎浜(博多)、東浜、箱崎浜に上陸した。
と、信用しかねるウィキペディアには書いてありますが、ウィキペディアが間違えてるんでしょうね。
なんせ、
天下のNHKが
『文永の役は一日で圧勝して
矢が尽きたから帰った』
と言ってるんですから。
圧勝したなら上陸したらどうなの。
そして二回目の元寇、弘安の役。
日本は頑張って石垣を作った。それで護った、と。さらっと流されていました。
日本が勝った、とは一言も言わず。
そして、
(元に勝った)日本は(番組では『日本が勝った』とは一度も言われていない。あくまで、元が元の事情により撤収した)、元や高麗を『むくりこくり』と蔑称で呼ぶようになりました。
このことを佐伯教授は『負の思考』と言い切りました。
他人を悪口で呼ぶのはたしかにどうかと思いますが、『負の思考』とまでおっしゃいますか。
そして北条時宗を
『モンゴルに翻弄され続けた一生』
と説明。
たしかに元寇はあったけど、モンゴルより身内に翻弄され続けたんじゃないの?
しかも34歳で無くなってるんだから、たしかに元寇は大きいだろうけど、『モンゴルに翻弄され続けた』ってどうなの?
そして三回目の元寇はベトナムがモンゴルに反抗したから、日本に手を回す隙が無かったんだよ。日本ラッキーだったね! こんなラッキーそうそうないよ! と。
そのうえ、最期の最期。
三別抄は全滅せず、とある島で英雄として慰霊を弔われている。(高麗からは反逆者扱い)
三別抄は沖縄に渡ってきた節がある。
それは、三別抄の城跡に残っていた瓦と同じ瓦が沖縄にもあったから。
ナレーション
『そして、
この時代から、
沖縄の築城技術は
向上した』
背景に、琉球の『綺麗な』石垣をバックに。
エンド
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
つまり、優秀な朝鮮人が沖縄に来て、沖縄の立派な城を作って上げましたよ、ということ。
いやいやいや。
三別抄、あんだけ無茶苦茶な石垣組んどいて(番組で映像が長々と出ている)、沖縄の築城技術向上させた、て、そりゃないで。
そんな築城技術があるんやったら、今も三別抄の城残ってるやろ。
番組内でも、城の大きさについてはまっっっったく触れなかった。『城』があったのかどうかも不明。掘っ建て小屋だったのかもしれない。
とにかく、『モンゴル強い』『高麗強い』『三別抄強い』『ベトナム強い』
日本が生き残っているのは三別抄ががんばったから。
日本が生き残ったのはまぐれ。
そんな描き方でした。
ベトナム(大越)の川戦の作戦は見事でした。
こういう説明の巧いところ、地味にすごいから、NHK、実際には好きなんだけど……最近の朝鮮傾倒は酷すぎる。
こういうことされると、他の番組も信用できなくなっちゃうんですよね。
自然紀行とか、ああいう、採算度外視した番組は、NHKでしか見られないと思うから、全否定する気は無いけど……
『10minBOX』とかね、中学生理科とかね(笑)大好きですよ。
この番組内に、ちょうど比較しやすい描写がありました。
三別抄が小さな島にこもって、沿岸に石の防壁(石垣)を築いた。
この時のインタビューの字幕が
「この島の沿岸は400里あるから、
ぐるっと石垣が囲って……全部かこったわけじゃないけどね」
というようなもの。
400里全部囲ったのかと思ったじゃん。残っている石垣部分の距離を言わんか。実測を!
対して、
『日本も元寇に対して石垣を20キロ程作った。』
この差、わかりますか。
三別抄が築いた石壁は全長がわからないものの、『島の全沿岸の長さ』を石壁の長さ、と間違えさせるような言い方。
それに比べて、日本は沿岸の長さなど言わずに、そのまま20キロ。
とにかく朝鮮側を誇張しよう誇張しようと必死なんです。
しかも、リポーターの笹部桂子女史。
「三別抄が築いた山城の上からあたりを見ると、
すごく向こうまで見えるんです。
すごい城を作ったんだろうなと思って
すごく感動しました(目をキラキラさせて)」
(ちょっと違うけどこんな感じ)
え? 見晴らしが良いのと、城の大きさと、なんの接点があるんですか?
じゃあ、世界中の見晴らしがいい山頂にはでかい城があったんですか。
私は、その三別抄が作ったと言われる石垣を見て、建築技術に非常に不安になったんですけどね。
古代文明とかの遺跡とか、日本の石垣とかって、『名刺も入らないような』石の組み上げ方しているじゃないですか。
本当に、素人が組み上げた石垣なんですよね。三別抄の石垣。
石壁ならまだしも、この上に城を作ったら崩れるんじゃないかと思いました。
まったく別の大きさの石をとにかく積み上げているので、これ、上に乗ったら怖いだろうな、という感じ。
まぁ、咄嗟に作った政府で、職人もいなかったからなんでしょうけど。
そんな石垣を作った三別抄の生き残りのうち、三別抄(自分たち)の石垣を綺麗に組まなかった職人が、沖縄に渡って、沖縄(他人)に築城技術を与えた……なんて、信じられません。
わざわざ日本人と韓国人をコメンテーターに読んでいるのに、日本人も思いっきり朝鮮より発言。
『負の思考』にはまいりましたわ。
とにかく、検証映像では嘘はあまり描いてないと思うんですよ。(それ流してええんか? というようなのもあったので)
けど、その後のコメンテーターやレポーターや三宅民夫キャスターの発言などが、映像を無視して、無理に朝鮮を持ち上げるんです。
朝鮮すごいよ! 日本よりすごいよ!
とにかく、日本を無視。
日本の活躍なんて描く気、これっぽっちもない。
朝鮮半島の局の番組ならわかりますが、日本の国営放送ですよ?
大体が、
「日本と朝鮮半島2000年」のロゴも、
日本が青バックで縦書き。『朝鮮半島』が赤バックで『2000年』の上に横書き。
明らかに、メインは『朝鮮半島』。
朝鮮を朝鮮がどう描こうがいいですよ。
しょせんは他国だから。
けど、日本人から直接お金をとっている日本の国営放送が、こんな日本の描き方はどうなの。
うっかり見ていると、
『モンゴルは凶悪だな。ベトナムも強いな。朝鮮がんばるなーっ! 日本何もしてないやん。ヨワーッ!』
こんな感じの感想になりますよ。
蛇足ですが、
TVやウィキペディアでこの時代の『元』を『モンゴル』と言っているのも気になります。
その後モンゴル帝国になったのはわかるけど、この時代の朝鮮が『高麗』なら、この時代の彼らは『元』でしょ? なんで元だけ現代呼称なの?
なんか、『元』って言うと『中国』と間違えそうだから。
『中国、朝鮮持ち上げ政策』のもと、元はモンゴルと書かれているのかな、とまでうがった見方をしてしまいます。
NHKしか見てない人がこれを見て、全部信じるのかと思うと、ゾッとします。
元寇 - Wikipedia
三別抄 - Wikipedia
番組内で佐伯教授がおっしゃった『むくりこくりという蔑称』ですが、ウィキペディアに在りました。
むくりこくり - Wikipedia
むくりこくりは、民俗語彙のひとつ。怖ろしいもののたとえ。もくりこくりとも。
元寇の際、2度にわたって蒙古・高麗連合軍が九州を襲ったことを「蒙古高句麗の鬼が来る」といって怖れたことに由来するという。転じて子供のわがままや泣くのをとめるのに「むくりこくり、鬼来るぞ」と脅す風習となったとされる。地方によっては「もっこ来るぞ」という呼び方もある。さらに転じて「むくりこくり鬼」という鬼がいるようにも考えられた。元寇の際の元軍・高麗軍の残虐行為を指すと解釈されるのが一般的だが、一部には、元・高麗軍の兵士の水死体を指すという解釈も存在する。
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つまりは「むくりこくり、鬼来るぞ」という『脅し文句』であって、決して、『蔑称』ではないのですね。
佐伯教授はどのような学説をお持ちなんでしょうか。
ウィキペディアよりも、そりゃ正規の教授がおっしゃったことなら信用しますよ。はい。
石井進説、村井章介説、川添昭二説など、この時代にはいろいろな学説があるようです。
佐伯教授はどの説なんでしょうか。
そうそう、番組内で、モンゴルが日本に来たときのことを「モンゴルが日本に遠征した……云々」と言っていました。
いやいや、そここそ、『侵略』じゃないのですか?
と、激しくTVに突っ込みました。